常駐エンジニアは派遣と同等

今のIT業界は深刻な人手不足で、特に大企業になるほどその傾向が強いのである。理由の一つは少子高齢化、もう一つが団塊世代が定年を迎えたことで、空いた穴を埋められないでいるのがそもそもの原因であろう。問題はその状態でも仕事をしなければならず、対応策として客先常駐システムが使われることが多いのである。これは簡単に説明すると企業間同士でIT技術者の貸し借りを行うシステムで、一見すると派遣の働き方にも似ているが、技術者側の選択肢がなく半ば強制的に出向させられるケースが多いのだ。
いわゆる常駐エンジニアとしてプロジェクトチームに出向させられるわけだが、ここに大きな問題が潜んでいるのである。エンジニアの職務は開発や構築で、普通に企業で働いているときは末端の社員でも自分の意見を述べられるものだが、出向という形をとると派遣と同等の扱いになり、与えられた作業を進めていくだけになるのだ。スキルアップの機会はなく、また正当に評価されずキャリアアップの妨げにもなるだろう。さらに働き続けていると、いずれ管理職に就くか自主退職を迫られることも出てくる。
一度や二度は外部の現場を知る経験と考えてもいいが、もしエンジニアとして働き続けたいのであれば、将来を考えて抜け出すことを考えた方がいいだろう。時間が経つにつれて抜けるのが難しくなり、ある程度の判断力と決断力が必要になるのだ。自分の将来は自分の手で築くべきで、客先常駐から離れたい人は早めに対処することが大切だろう。

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